台風の通過に際して、渦巻きという形状とデザインについて考えてみる。

台風の通過に際して、渦巻きという形状とデザインについて考えてみる。

台風10号が日本列島を横断していきました。被害が出た各地の皆様にお見舞い申し上げます。最近は台風の大型化や強さの凶悪化が顕著な気がして、台風が発生する度にある程度対策を考えなくてはいけなくなっている気がします。

まぁ、、、ある程度なんですけど、、、どちらかというと、うちの会社みたいなオフィスビルで仕事を行う会社は、社員が帰れなくなる、みたいなことが一番怖いので、直接的な対策よりは、JRさんの計画運休の情報を早めに仕入れて、社員を早めに帰宅させるような対応を行っています。

さて、そんな台風ですがその恐ろしいイメージには独特の形も一役買っているのだと思います。そう、渦巻きですね。雨がひどくてやる気が起きないので、今日はそんな渦巻きの話をしてみます。

渦巻きをスパイラルツールで作ってみる

ツールパネルから、渦巻きツールを選びます
ツールパネルから、渦巻きツールを選びます

さて、「渦をデザインで表現してくれ!」とか、「必ず渦を入れてくれ!」というご要望は一切お客様から聞いたことがありません。笑

ですが、やはり制作の表現の候補として考えたことは何度もありますし、ちょっとだけ要素を取り入れていることもあります。

スパイラルツールのパネルです。
スパイラルツールのパネルです。

この渦巻き、イラストレーターで簡単に作れます。ツールパネルの「スパイラルツール」ですね。

スパイラルツールは直線ツールのボタンに隠れているので探しにくいですが、こういうツールってイラストレーターって結構ありますよね。

スパイラルツールでは「円周に近づく比率」と「セグメント数」という二つの値が割と重要です。二つの値をテストしてみましたので、この辺りは感覚で捉える必要があるかなと思います。面白いのは、100%を超える値でも使える点ですね。

そして、そのスパイラルツールを活用した図形なども作ってみました。中心部を隠したデザインです。スパイラルツールで作った渦をいくつか重ね合わせるなどの工夫で、印象的な形状を作り出すことができます。

「渦」、が持つ印象とは?

話は変わりますが、渦という印象的な形状が持つ印象などを把握してみましょう。

やはり、「禍々しいこと」「何かよくわからないものに巻き込まれる」という、どちらかというとマイナスの印象は強いのでは無いかと思います。ので、これをデザインとして活用するときはその良い方のイメージを活用することになるでしょう。

そもそも渦という文様の持つ歴史は深く、私なんぞが語りつくすことができないものがあります。渦というのは頭頂部の渦に始まり、まぁ、腸なんかも渦の形状の一つと言えます。そんな神秘的な形状に太古の人たちが魅了されないわけはなく、色々な形状として今にも残っています。

例えば、ラーメン鉢の渦。これは、中国では龍の巻き起こす雲気が渦巻きという考え方に基づくもので、印象としては雲を想起させることから、空の壮大さなどにも繋がるイメージだと思います。

日本では大分省略化された形で印象的な形状として残っています。例えば、三つ巴、卍、などなど。

文様として使う場合、渦は、そもそもの摩訶不思議な印象を残しながら独特の形状として発展させた形になると思います。例えば、襖紙に使う文様として渦巻き文様というのもありますが、これもそもそもの渦巻きのように強く引き込まれるイメージというよりは、「不思議さ」というイメージだけが残った、可愛い文様というイメージになっています。蚊取り線香なども同様のことが言えますね。

渦巻き、その印象を使いこなすこと。

さて、渦巻きという形状をここまで見てきましたが、やはり独特の印象なので、その発展系の様々な文様を使うなどの工夫があって然るべしと思います。ツールを使う、ということとデザインはまた違うのだと改めて感じた次第です。

台風一過、天気図を眺めていてふと気付いたのですが、綺麗な渦を巻いている時の台風の方がその不思議さを感じて人を惹きつけるのですね。各地被害が出ているとはいえ、とりあえず今回の台風が通り過ぎたことにほっとしています。そして、一番綺麗な円の重なりを見せている時の天気図を見返してみて、恐ろしさと大きな好奇心を感じずにはいられないのでした。

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