一市民として企業ができること【SDGs】

一市民として企業ができること【SDGs】

「企業市民」は、今日では馴染み深く一般的な言葉となっているように思います。企業として利益を追求するだけでなく、良き市民として社会に貢献しようという考え方です。
日本では1980年代後半に米国に展開した日系企業が現地企業に影響を受け、広まったものだとされています。

阪神大震災以降、日本が災害によってダメージを受けつつも復興を遂げてきたのは、公的な支援だけでなく民間企業の利益を超えた「奉仕」の精神が大きな役割を担っていたのでしょう。
そして、今後この役割の大きさの割合は公助から自助へと推移していくことが予想されます。

そのような社会的な潮流のなか、弊社は「SDGs」を通し私たちにできることは何があるかと考え、取り組んでいこうと考えています。

目次

 

SDGsとは

本記事では「SDGsとは何なのか」について、私なりに噛み砕いてご紹介したいと思います。今回は個別の解説はいたしませんので、そもそもSDGsってなに?という方の最初の1歩となれれば。

 


SDGs(Sustainable Development Goals)は、2015年9月の国連サミットで採択された「接続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。


日本外務省の説明を要略するとこんな感じ。大切なのは「接続可能な開発」「2030年までの国際目標」でしょうか。

数年前まで、あるいは今のようにあるものをあるだけ使い、環境やその他の人々のことを度外視した開発(経済成長)では、いずれ地球は限界を迎えてしまいます。そうなる前に、これからも成長を続けていけるようなスタイルに変えていこうという取り組みです。

過去にもこうした取り組みはありましたが、それは国や行政・NGO団体などが主体で、個人としては当事者意識が沸きにくいという点、また先進国と途上国によっても取り組みの積極性が違ってしまうという点に難がありました。
SDGsの特徴は、誰もが身に覚えがあったり、先進国・途上国ともに取り組めるような内容が目標が掲げられている点にあります。
個人としても取り組むことができる内容もあるので、是非とも今日から取り組んでみましょう。

(ちなみに、先ほど挙げた過去の取り組みとして、SDGsの前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)があります。あまり良くない例えとして挙げてしまいましたが、こちらも素晴らしい目標であり、かなりの精度で達成できています)

 

企業としてできること

前段で触れたMDGsは、先述の通り国家単位やNGO団体のような一般的な市民から少し離れた人たちが主な実施者でした。

SDGsは、企業を達成のための重要なパートナーとしており、企業が中核的な事業を通じて貢献することを求めています。

企業こそが経済活動の主役なのですから、企業が率先して取り組まなくてはならないのは当然ですね。また、「中核的な」とあえて言っているのは本業そのものにSDGsの考え方を組み込まないと接続可能性が下がってしまうからです。
いわゆる社会的奉仕であるボランティアや寄付は、それ自体は素晴らしいことですがSDGsとは異なるということですね。

この地球に存在し、生きる者の1人として「お上からのお達し、押し付け」と考えず、自分自身のこととして考えてみてください。

 

17の目標

では、17の目標を見てみましょう。かなり広い範囲に対して目標が設定されていることがお分かりになると思います。

 

 

1〜6は主に途上国に対するものと言えるでしょう。日本にもたくさん問題がありますが、世界から見れば高い水準で達成されている項目だと思います。
日本に流通する製品・サービスには途上国から輸入された素材や製品による物がたくさんあります。現地・輸入する日本企業の取り組みやその影響まで見て製品を選ぶといったことができるかもしれません。

 

7〜12が先進国に対する目標でしょうか。これらは民間・政府ともども大きく取り上げられることが多いですね。
特に高齢社会であり、地方格差が大きく、エネルギー自給率が低い日本では全く無視できない内容です。
また、経済活動に直結した内容であることから、企業として実践できることを考えるならまずはこの6つから検討してみるのがいいかもしれません。

 

 

13〜17は先進国・途上国ともに向けられた課題でしょうか。国土の多くが山岳である島国日本は、当然それらに関する仕事もたくさんあるので14、15は特に関連が深そうです。はじめに言及した通り、これからは自助がより求められると思われるので、17もより一層推進されていくでしょう。

これら17の目標には、さらに詳細な具体的な達成基準「169のターゲット」が定められています。例えば「1.1 2030 年までに、現在 1 日 1.25 ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。」など。
なかなか途方もないターゲットに思えてしまうようなものもあるのですが、私は世界の人々が力を合わせれば、きっと達成できると信じています。

 

ここまでご覧になって、お仕事の中に取り入れていくことができそうな目標はありましたか?貢献の形は様々です。
日本の企業だと、例えば自動車業界は揃ってエネルギー改革を起こそうと尽力されています。また、LIXILは国連ユニセフと連携し、世界中に安全な水とトイレの普及に努めておられます。

弊社も一市民として、地球に住む生き物の一員としてSDGsは積極的に業務に取り入れていきたいと考えています。
弊社自身の取り組みはもちろん、お取り引きさせていただく方々にも価値のあるご提案ができるように日々新たな取り組みができないか研究しています。
弊社としてのSDGsの取り組みについて、いずれご紹介できれば。

 

京都市とSDGs

さて、弊社は京都市を中心に日々を活動しているわけですが、実は京都市は「全国市区・サステナブル度・SDGs先進度調査」(日経グローカル誌掲載)において、100点満点中70.37点というスコアをはじき出し、全国首位となっています。(平成30年10〜11月調査)
平素より、京都市や、京都市でご活躍される企業の皆様を拝見する機会に恵まれており、良い刺激をいただいています。
ゴミのリサイクル事業、バイオエネルギー事業、自動車交通量を抑えるための官民一体となった活動など、優しく、強いまちづくりに邁進されています。京都市のSDGsの推進についてはこちらから。

外国人観光客が増加し、世界から注目を集める京都の一員として、そういった方々と肩を並べられるように弊社も一層努力していきたい所存です。

 

結びに

「我々は、貧困を終わらせることに成功する最初の世代になり得る。同様に、地球を救う機会を持つ最後の世代になるかもしれない。」

これは「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」で唄われている一文です。

約50年前の1972年、「今のような地球資源をふんだんに使った世界経済の成長は、100年以内に限界を迎える」という提言がされました。この提言こそが、SDGsの根底にあります。
すでに残り50年となっていることに衝撃を受けますが、この50年間で日々の生活レベルから環境等に配慮することは当たり前のことにまでなったと思います。

SDGsは2030年までの目標であるため、残すところは10年となりました。この10年間では、醸成された私たちの配慮の精神を、より積極的に実施していかなくてはならなくなるでしょう。

ところで、私はうなぎが大好きなんですが、絶滅を危惧されるようになってからはあえて口にしなくなりました。
将来の子供達に私がかつて食べた美味しいものを気兼ねなく味わえるような世界になっていてほしいですから。
いや、SDGsとはちょっと離れた話だとは思うんですけどね、取り組むために必要な心とは、こういう感じでいいんじゃないかと思っています。
将来の子供たちが今の自分より豊かな社会で生きてほしい、そんな気持ちでSDGsに取り組みたいと考えています。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。噛み砕いてご紹介するつもりが、結構長くなってしまいました。

次回は弊社での取り組みをご紹介できればと思います。まだまだできることは少ないですが、小さなところからコツコツと取り組んでいこうと思います。

 

最後に、弊社が以前からチャレンジし、こちらでもご紹介しているプロジェクションマッピング関連ということで。
SDGsが国連で採択された際には、ニューヨークの国連本部建物の壁面に巨大なプロジェクションマッピングがなされました。
採択に向け、世界を駆け回った国連本部の方々、これからの未来への決意を彩るためにその日その時間に向けてご準備されたクリエイターの方々には尊敬するばかりです。
きっと未来に向けて明るく前向きな気持ちになれると思うので、是非ともご視聴ください!

ライター

ライター:スタッフS

スタッフS