日本の農業の問題について〜あわいばで解決したいことその2〜

日本の農業の問題について〜あわいばで解決したいことその2〜

前回の記事で取り上げた、あわいばで解決したい農業問題。今回は畑が遠い存在であるからこそ起こる、農業に対する「誤解」について取り上げたいと思います。

化学肥料は本当に危険なのか?

一般的な世論では、なんとなく化学肥料を使って育てた野菜は危険で不味いと言われることがよくあります。

しかし、本当にそうなのでしょうか?メディアなどで取り上げられる際に、間違った情報が流出しているのかもしれません。

化学肥料が危険なわけではない

結論から言うと、化学肥料を使ったからといって危険になることも不味くなることもありません。土壌にある成分が化学肥料でも天然由来の堆肥でも変わることはないため、野菜に吸収されるものは同じだからです。

化学肥料を使うことで、

  • 粒の形や大きさが同じためムラなく散布できる
  • 植物の育成に必要な要素がバランスよく含まれているため、扱いやすい
  • 安価で手に入りやすい
  • 有機肥料と違い、匂いやガスの心配がない

などのメリットがあります。

逆に、デメリットは

  • 有機肥料のような土壌改良効果はない
  • 過剰に使用すると根が傷む肥料焼けを起こしやすい

などといったところです。化学肥料を使った野菜は良くない、というような印象が広まっていますが、それは事実ではないのです。

高まる「有機野菜」の価値

反対に、有機野菜の付加価値は年々高まっています。レストランなどでもメニューに有機野菜を使ったものが多く見られるようになりました。

オーガニックというだけでなんだか健康的で自然な印象があり、それを売りにしているお店も多くありますが、消費者側でオーガニックについてきちんと理解できていることは少ないかもしれません。

日本では、化学肥料を使わずに育て、かつ農林水産省より有機JASマークを貼付されたもののみがオーガニック(有機野菜)と認定されています。つまり、基準に当てはまりさえすれば有機野菜の認定を受けることはできるし、逆に化学肥料を一切使っていなくても有機野菜と認定されていないものもあるのです。

有機野菜は「体にいいもの」なの?

有機野菜に関するよくある勘違いとして、体に優しい、というものがあります。しかし、有機農法は「自然に優しい農法」であって、人の身体に優しい作物を育てる農法ではないのです。

有機農産物の日本農林規格では、

( ) 農業の自然循環機能の維持増進を図るため、化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避ける 1
ことを基本として、土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させるとともに、農業生産に由来
する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を採用したほ場において生産されること。
( ) 採取場(自生している農産物を採取する場所をいう。以下同じ。)において、採取場の生態系 2
の維持に支障を生じない方法により採取されること。

日本農産物の日本農林規格

とあり、人体に与える影響については言及されていないのです。

また、有機肥料も化学肥料も野菜に与えられる成分は同じなため、化学肥料の使用によって引き起こされる人体への影響は有機肥料を使用した場合にも起こり得ることです。どちらを使うにせよ、適切な量と方法で使用すれば安全で美味しい野菜ができるというわけです。

また、よくある有機野菜に対する勘違いとして、「オーガニックだから無農薬」というものがありますが、天然物や、天然物由来の農薬であれば使用することができます。

農薬を使用しないで害虫や病気を防ぐには膨大な手間と時間がかかりますし、人の手だけでは対応しきれず損害が大きくなってしまうこともあります。「農薬」と一口に言っても、害虫の天敵生物や花から抽出した天然の殺虫剤、食酢など、普段私たちの身の回りにあるものや天然のものも多くあるのです。そのため、「農薬の使用は良くない」とは言えず、使用したからと言って危険だというわけでもないのです。

畑が近くになることで見えてくる「本当のこと」

化学肥料と有機農法のどちらが良い、悪いではなく、どちらも美味しく安全な野菜を育てることができるのです。ですが、畑が身近にない場合、どうしてもテレビやインターネットから流れてくる情報を信じてしまいがちです。

実際に野菜がどう育てられているのかを見て、知ることができれば、私たち消費者も安心して食べることができます。畑が近くになることで、こうした誤解がなくなると消費者も農家も気持ちよく野菜を食べられるのではないかなと思います。

ライター

ライター:齊藤

齊藤